骨髄異形成症候群

今まで述べてきたように、血液細胞は骨髄で作られます。いわば骨髄で「血液の赤ちゃん」が生まれ育ち、「大人」になってから全身の血液中に届けられるわけです。骨髄異形成症候群という病気では、赤ちゃん細胞の段階で遺伝子に傷がつき、うまく「大人」になれないという状態を生じます。このとき、骨髄は一生懸命血液を作ろうとしますが、成長の途中で壊れてしまい、結局血液中の細胞は少なくなってしまいます。この状態を難しい言葉で「無効造血」と呼びます。また遺伝子に傷がついたことで血液細胞が腫瘍化することがあり、急性骨髄性白血病になることもあります。これを「前白血病状態」と呼びます。
骨髄異形成症候群とは、この「無効造血」と「前白血病状態」の二つの状態が混在した病気です。それぞれの性格がどういう割合で混在しているか、は患者さんによって異なり、実際この病気の状態や進行具合には大きな幅があります。すなわち「無効造血」の性格が強ければ、血球減少が重度で定期的な輸血を要する場合があります。一方「前白血病状態」の性格が強ければ、短い間に白血病に進展してしまうこともあります。
個々の患者さんにおいて、病気のどちらの性格が主であるか、を見極め、また病気の「足の速さ」も考慮した上で、患者さんの年齢や臓器機能もふまえて、治療方針を決定します。実際には定期的に輸血を行いながら様子をみることもあれば、お薬を使って治療することもあり、さらにはいくつかの条件がそろった場合に、同種造血幹細胞移植を行うこともあります。

  

最終更新日:2014年10月1日

(C)佐賀大学医学部附属病院血液・呼吸器・腫瘍内科