出血・血栓性疾患

血液は血管の中を流れていますが、けがなどでいったん血管の外に出る(出血する)とすぐに固まる(凝固する)性質があります。その異常が「出血傾向」や「血栓傾向」です。血液内科では昭和56年の外来開設時より、このような病気も取り扱っています。
出血傾向とは、血管の外に出た血液が固まりにくいために、ぶつけてもないのに皮膚に出血斑が出たり、鼻・歯ぐきなどからのいつもとは違って大量で長引く出血が特徴です。筋肉や関節内の出血では、大きくはれて激しく痛むこともあります。血液凝固に異常がある体質の人では小児期より出血症状が頻繁に起こります。有名なものでは、血友病やフォン・ビルブランド病といった病気があります。また、血小板減少性紫斑病のように、ある病気や薬物使用がきっかけになり出血しやすくなる場合があります。
それとは全く逆に、血液が固まってはならないはずの血管の内部で血液が固まりやすくなるのが、血栓傾向です。多くの場合、動脈硬化などによって狭くなった血管内に発生し、血液の流れが止まってしまい、その先にある身体の組織が働かなくなってしまいます。脳梗塞や心筋梗塞が有名ですが、他にも手足に起きやすい末梢血管閉塞症や、長時間乗車などの同じ姿勢を続けた場合に起きやすい深部静脈血栓症(いわゆるロングフライト症候群)でも、命にかかわることがあります。また、アンチトロンビン異常症・プロテインC欠乏症・プロテインS欠乏症など、生まれつき血栓を作りやすい体質の人もいます。これらの出血傾向や血栓傾向は適切な検査をしないと診断・治療できません。血液内科では小児科と協力して、佐賀県内外の他の医療機関からの相談にも対応しています。

最終更新日:2014年10月1日

(C)佐賀大学医学部附属病院血液・呼吸器・腫瘍内科