NGS現場の会 第4回研究会

2015年7月1日~3日 つくば にてNGS現場の会 第4回研究会が開催されました。その中で、血液核酸マーカー分科会において当科の 荒金 尚子 准教授が 『血漿遊離DNAを用いたLiquid biopsyの臨床応用』 について講演の機会を得ました。

肺がん診療においてEGFR-TKIは良好な抗腫瘍効果をもたらしますが、ほとんどは1年内外で獲得耐性を起こします。その獲得耐性分子機構はさまざまであるため、耐性化後の治療選択にはその分子機構を明らかにすることが重要で、そのためには「再生検(re-biopsy)」が推奨されていますが、患者さんの体に負担のかかる侵襲的手技が必要となるため、実際には施行が困難なことも多いのが現実でした。

その点、腫瘍組織のかわりに末梢血を用いる遺伝子変異検査は「Liquid biopsy」と呼ばれ、昨今の高感度変異検出系の進歩に伴い、急速に広まってきています。本研究室では、高感度全自動変異検出系であるMBP-QP(mutation-biased PCR and quenched probe) systemを開発し、これを用いて血漿遊離DNAから患者さんのEGFR遺伝子変異の状態をモニタリングし、実臨床に役立てています。

今回、本研究室の佐藤 明美 研究員とともに参加し、全国の先生方に当科の研究をアピールするとともに、基礎研究で使用する最新の機器などについても情報を得ることができました!

最終更新日 2015年7月7日

(C)佐賀大学医学部附属病院血液・呼吸器・腫瘍内科