インドレント成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)に対する インターフェロンα/ジドブジン併用療法と Watchful Waiting療法の第III相ランダム化比較試験

成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)は血液がんの一つで、九州地区に多いことが特徴です。当科はJCOG(Japan Clinical Oncology Group:日本臨床腫瘍研究グループ)のリンパ腫グループに属しており、多施設共同の臨床試験「インドレントATLに対するインターフェロンαとジドブジン併用療法(IFN/AZT療法)による早期治療介入の有用性を検証する臨床試験(JCOG1111試験)」を実施しています。

インドレントATLとは、比較的進行のゆっくりなATLを指します。具体的には、「くすぶり型」および一部の「慢性型」ATLのことです。インドレントATLに対しては、通常の抗がん剤治療では予後は改善されないとする考え方が支配的で、急性型やリンパ腫型となるまで無治療経過観察が行われてきました。急性型やリンパ腫型となると、強い副作用を伴う化学療法(抗がん剤)による治療が必要です。

海外では、インドレントATLに対してはIFN/AZT併用療法が「標準治療」の一つと考えられています。しかし少数例の後ろ向き調査に基づいたもの、科学的な検証が必要です。

JCOG1111試験は、インドレントATL に対するIFN/AZT併用療法の有用性をこれまでの標準治療である無治療経過観察と比較して、検証する第Ⅲ相臨床試験です。IFNとAZT はATLに対して本邦で薬事承認がない(保険診療として用いることができない)ことから、本試験は先進医療B制度下で実施しています。よってこれらの薬剤費は研究費で負担され、それ以外の診療は保険診療として実施されます。

 

関心をお持ちの患者さんはもしくはそのご家族の方は、主治医の先生に御相談下さい。また医師の方で、本試験に適格となり得る患者さんがいらっしゃって、関心をお持ちの場合には、遠慮なく下記までご相談下さい。

 

当科における相談窓口

進藤岳郎

e-mail: hematology-info@saga-hor.jp
TEL: 0952-34-2366(医局)、0952-31-6511(代表)

最終更新日:2016年8月4日

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