血漿遊離DNAの肺がん転移における役割

EGFR阻害剤耐性化モニタリングの検討より、血漿遊離DNAが腫瘍の進展に何らかの役割を持っているのではないかとの考えに至った。この仮説を証明するため、種々の検討を行っている。まず、血漿遊離DNAと腫瘍進展との因果関係を解析するため、高転移マウスの系を樹立した。熊本大学との共同研究で、高度免疫不全マウスであるNOD/SCID/Jak3欠損マウス:NOJマウス及び、ヒト肺がん細胞(同種)を用いた全身転移マウスモデルを構築した(論文投稿中)。上述したMBP-QP法でマウス血漿遊離DNAよりヒト肺がん細胞由来DNAを検出し、経時的に変異DNA量を検索した結果、転移出現に伴って増加する事を示した。現在、遊離DNAの性状確認を行い、がん細胞の転移、浸潤に対する役割を検討中である。

最終更新日:2014年10月1日

(C)佐賀大学医学部附属病院血液・呼吸器・腫瘍内科